YouTubeの広告収入やKindle Publishingなどの収入の税処理について

YouTubeで広告収入を得られている方は、その収入についてはもちろんタックスリターンを行う必要があります。

アメリカ国内にお住まいで、就労ステータスがある方は、GoogleやAmazonに対して、事前にW-9フォームを提出しておくことで、毎年1月31日までに、1099フォームと言う収入証明が送られてきますので、こちらを元にタックスリターンを行います。

アメリカ国外、特に日本にお住まいの方で、GoogleやAmazonなどから収入を得ている場合は、昨年2021年からアメリカでの税法が改正され、全世界での総収入の24%が源泉徴収されるように変更になりました。(Amazonの場合は30%)

事前にアメリカでの源泉徴収をされないようにするためには、「W-8 BEN」と言う書類を提出しておかなければなりません。

W-8 BENとは

W-8 BENとは、アメリカ国外にお住まいで、アメリカ国内で収入(不動産・株式などの金融資産の利子や報酬、家賃収入、今回のGoogleなどの広告収入など)がある場合、外国に居住していることを証明する書類になります。

このW-8 BENが提出されていなかった場合は、収益の24%が源泉徴収(天引き)されますので、事前に提出しておくことで、源泉徴収されることを避けることができます。

この「W-8 BEN」の提出を怠ると、源泉徴収されてしまいますので、報酬を受け取る前に提出することをお勧めします。

もし、「W-8 BEN」の提出を忘れてしまうと、総収入から24%の源泉徴収されてしまいますし、また、日本の確定申告においては、税引き前の収入が課税対象所得になりますので、二重課税になってしまいます。

ただし、源泉徴収されてしまった場合でも、アメリカのタックスリターン(確定申告)を行うことで、すべてではありませんが、還付される場合もあります。

基本的には、この状況において、アメリカでのタックスリターンを行うと、10%が引かれ、その他、遅延申告などがあった場合は、ペナルティと利子が引かれてしまいます。

できるだけ、アメリカのタックスリターンの申告期限(毎年4月15日)までに申告するようお勧めいたします。

※ W-8 BENの提出は、各サービスの管理画面内から、作成・提出することができます。

日本在住の日本人がアメリカのタックスリターンをするには

今回のように、アメリカでの収入が発生し、源泉徴収されている場合、タックスリターンを行う必要がありますが、タックスリターンを行うためには、日本のマイナンバーにあたる「ソーシャルセキュリティナンバー」が必要になります。

ソーシャルセキュリティナンバーは、アメリカ市民、アメリカ永住権保有者、有効な就労ステータスを持っている人に付与されるものになりますので、これらに該当しない外国人は、ソーシャルセキュリティナンバーの代わりに、ITIN(個人用納税者番号)を取得する必要があります。

ITINの取得は、専用の申請用紙(W-7)と公的な身分証明書と一緒に、アメリカのIRSに郵送で申請します。

ITINの取得方法とW-7のダウンロード

ここで、申請書と一緒に提出する身分証明書ですが、日本人の場合、パスポートになるのですが、日本のパスポートそのままでは身分証明書として認められません。

そこで、日本にあるアメリカ大使館・領事館にて、日本のパスポートを身分証明書として使うための認証を取得する必要があります。

ITINを取得するためには、まず、アメリカ大使館でこの予約を取り、パスポート認証を取得します。

パスポート認証のためのアメリカ大使館での予約取得方法

パスポート認証が取れたら、その認証とW-7と一緒にIRSに郵送します。

W-7の郵送先

Internal Revenue Service
ITIN Operation
P.O. Box 149342
Austin, TX 78714-9342

ITIN取得後のアメリカのタックスリターンの手順

提出書類等の不備がなければ、ITINの取得申請から、約7〜8週間ほどで、ITINが届きます。

このITINを持って、ようやくアメリカのタックスリターンを行います。

日本在住の日本人が、アメリカのタックスリターンを行うには、1040NRと言うフォームを使って申告をします。

また、日本在住の方で、W-8 BENを提出せず、アメリカで源泉徴収されてしまった場合は、収入証明として、Googleなど収入を得た先から、1042-Sが送られてきますので、それを持ってタックスリターンを行います。

※ 1042-Sとは、外国人がアメリカ源泉所得があった時に、源泉所得税を徴収したことについて報告されるフォームです。

アメリカのタックスリターンの申告期限内(4月15日)までに行います。

いずれにしても、日本において、アメリカのサービス(GoogleやAmazonなど)から収入を得ている場合は、早めにW-8 BENを提出して、アメリカでの源泉徴収をされないように処理されることをお勧めいたします。

参考情報:Googleへの米国の税務情報の提出

参考情報:Amazon 税に関する情報の要件