ブラックフライデーにみる仕掛けと仕組みづくり

アメリカは、今週末からサンクスギビング(感謝祭)のホリデーシーズンで、アメリカのビジネスでは、一年で一番の書き入れ時です。

アメリカではクリスマスよりも、この時期が一番の消費が多くなる時期になります。

サンクスギビングは、毎年、11月の第3週の木曜日と決まっているので、その深夜からセールが始まるので、「ブラックフライデー」と呼ばれています。

通常は、日付を超えた金曜日の深夜0時スタートなのですが、年々、スタートが早くなり、木曜日の夕方から始まったりしています。

ブラックフライデーのセールは、各お店の商品全てが安くなるのではなく、限定商品が激安になっている感じです。

最近は、なぜか、日本でもブラックフライデーセールが行われているので、だいぶ認知されているかと思います。

セールの目玉は、大型テレビやゲーム機器など、普段、高価なものが半値近くの値引きになっています。

マーケティング的に見ると、そうした目玉商品で集客を促し、その他、セールになっていない商品も買ってもらうと言う戦略になっています。

なので、店内のレイアウトも、大目玉の商品は、店舗の奥の方に配置していたりします。

これも「売れる仕組み」の一つです。

実際、ブラックフライデーでお店に来たお客様を観察して見ると、買い物カートに、「それはいらないでしょう」と言うものがいっぱい入っています。

この日のために、お金をためて来たのでしょう。

この時とばかりに、一気に買い物をしている感じでした。

実店舗の場合、「ついで買い」があるので、レイアウトはとても重要です。

さらに、このブラックフライデー本体に行く前に、事前のプレセールと言うのが、ネットで告知、展開されたりします。

プレセールでは、本体の商品とは別の商品が特価になっていて、ブラックフライデー前までの期間限定になっています。

ここで、ブラックフライデー本体の特価商品の紹介(チラシPDF)もされていて、購入動機を高める情報発信がされており、ブラックフライデーの1週間前から始まっていて、当日に向けて気持ちを高揚させる効果を狙って行われています。

さらに、ブラックフライデー当日には、

「今、ブラックフライデー開催中です」

「もうすぐブラックフライデーセール終了です」

と、行動を促すメールが届きます。

さらに、さらに、ブラックフライデーセールが終了した土曜日に、

「ブラックフライデーはまだ終わっていません」

と、期間延長のメールが届きます。

これは、店舗と言うよりも、ウェブ限定のセールが引き続きやっています。と、ホームページへの誘導を行なっています。

このように、セールを仕掛ける際は、ただ単にモノを安く売る、値引きをするだけでなく、コミュニケーションの量を増やし、気持ちの高揚と、行動を促すことを目的に行うこと、また、セール品以外のもの販売(購入しやすくする)や、セット販売などで、1回の訪問での購入単価を上げる仕掛けを用意することで、その効果を最大化します。

さらに、この週明けの月曜日には、ウェブ中心で販売しているところが行う「サイバーマンデー」セールが行われます。

ただ、今や実店舗とウェブサイトを持っているところが増えてきているので、ブラックフライデーとサイバーマンデーのウェブでの販売の境がなくなってきています。

ウェブオンリーの会社では、このサイバーマンデーがメインになると言う感じですね。

いずれの場合も、ただ安売りするのではなく、綿密に設計・計画されたスケジュールで、告知、コミュニケーション、レイアウト、セット売りなどの仕掛けを組み合わせることで、売り上げを最大化することになります。

日本では、これからの年末商戦、お歳暮、クリスマス、お正月が一年のうち一番消費が活発になる時期です。

単純な安売りではなく、段階的、継続的な告知、コミュニケーションが売り上げにつながります。

いわゆる、これが「キャンペーンプランニング」になります。

このキャンペーンプラニングは、すべてのビジネスにおいて、重要なマーケティング施策になります。

売り方の流れを事前に計画をして、その導線をしっかり作ることで、セールが活きてきます。

ただ安売りをするだけで売れる訳ではないと言うことですね。

アメリカの景気を、このブラックフライデーとサイバーマンデーの売り上げで見るところもあり、来週、その結果発表があります。

どんな結果になるのか、またレポートしますね。

売り方、売れる仕組み・仕掛けで、今より効果を高めることができます。

御社の「売れる仕組み・仕掛け」を見直してみてくださいね。