アメリカ移住には、どうしても滞在するためのビザが必要になります。
さらに、アメリカで働いて所得を得るためには、就労ビザが必要です。
アメリカでの就労ビザで一般的なものは、
- H-1Bビザ・・・専門家ビザ
- H-3ビザ・・・研修ビザ
- J-1ビザ・・・研究員ビザ
- Lビザ・・・駐在員ビザ
- Eビザ・・・貿易・投資家ビザ
- Oビザ・・・芸能人・アーティストビザ
この中で最も一般的だったH-1Bビザは、近年、発給数の制限と応募要件が厳しくなり、取得しづらい状況にあります。
H-1Bビザの現状
H-1Bビザは現在、STEM(Science, Technology, Engineering and Math)と言った理工系の修士号取得者が優先になっており、その次にSTEMの学士号、その次に一般の修士、学士の順に枠が割り当てられているので、一般の学部でなかなかH-1Bの取得が難しい状況になっています。
ちなみに最近のアメリカ教育では、大学だけでなく、小中高校でもSTEM教育に力を入れており、STEM強化校なども出てきています。(将来、アメリカへの教育移住をお考えの場合、考慮しておくと良いでしょう)
会社設立によるE-2ビザの取得
現在、このように就労ビザの代表であったH-1Bビザの取得が難しくなり、選べる就労ビザの選択肢として注目されているのが、アメリカでの会社設立(投資)による、E-2ビザでのアメリカ移住方法です。
貿易ビザであるE-1ビザとは別に、アメリカへの投資によるものがE-2ビザになります。
もちろん、ただ投資をするだけではビザ申請はできません(不動産投資、株式投資は対象外)。
これには、まず、アメリカで会社登記を行い、そこで一定額の投資を行います。
投資額は公表はされていませんが、一般的に、$10万〜$30万あることが理想と言われています。
ポイントは、投資額や投資をしただけではダメで、その投資した金額をアメリカ国内で消費する(使い切る)ことが重要になります。
もちろん、全額一気に使うことではなく、アメリカで実際にビジネスを行うことにより、商品や資材の仕入れや経費として使う、また、人を雇い給料を出し、税金を納めるなど、アメリカ経済に貢献していることを証明することで、E-2ビザの申請を行うことができます。
ですので、会社設立後に、実際にビジネスを動かし、その実績を毎月のBookkeepingを行うことで、その財務諸表(Financial Statement)を作り、それらの資料と一緒にビザ申請を行います。
E-2ビザとその家族
晴れて、E-2ビザが取得できれば、自分の会社からお給料を取ることが可能になります。
さらに、
E-2ビザ取得者の配偶者は、E-2Sというビザが発給され、こちらのビザであれば、アメリカで自由に働くことが可能になります。
また、E-2ビザのお子さん(21歳までの未婚の扶養家族)には、E-2Yビザが発行され、アメリカ人と同じ条件で、アメリカの公立校に通うことができます。
ただし、それまでに永住権を取得できていないと、お子さんが21歳を超えて扶養から外れると、お子さんご自身で別のビザを取得しなければいけません。
学生を続ける場合は、F-1ビザを取得しなければいけなくなります。
ですので、それまでの間に、また移住決定に関わらず、毎年、抽選永住権の応募をし続けることをお勧めします。
E-2ビザの更新
E-2ビザは、5年ごとの更新になりますが、当然、自分の会社が存続していること、きちんとビジネスを動かしていることが、更新の条件として求められます。
アメリカに会社を作った、投資した金額を使うだけでなく、アメリカに滞在し続けるのであれば、ビジネスも続けていくことが求められるので、しっかりとしたビジネスモデルを持って臨むことが大切です。
もしくは、アメリカではビジネスそのものの売買(事業譲渡)が頻繁に行われているので、アメリカ移住に際して、そうしたビジネスを買う(投資する)ことで、既存のビジネスであれば、そのまま事業を継続していけるというメリットがあります。
この場合もまず、自分の会社を設立し、その会社で既存のビジネスを買うという流れになります。
既存のビジネスを購入する場合は、すぐにビジネスを始める(継続する)ことになるので、投資金額を消費していることになるため、比較的早くE-2ビザの申請、取得ができるようになります。
特に飲食店など、居抜きでビジネスで売りに出されているので、アメリカで飲食店を始めるのも比較的簡単に始めることが可能です。
アメリカ移住、アメリカ起業のアイディアとして、アメリカでの会社設立が今、一番効率的な方法と言えます。